赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室Q&Aバックナンバー性格・親のかかわり・育て方

性格・親のかかわり・育て方

Q. 引っ込み思案の5歳の娘。力を伸ばすには? (2017.10)

  • (妊娠週数・月齢)5歳

年長組で3月生まれの一人っ子の女の子です。引っ込み思案の性格で理解力がゆっくりなタイプに感じます。保育園の担任の先生には“できない子”と思われているようで、役割を決める時など、本人が希望したものではなく、先生が娘の能力に合うと思うものを決めてしまうようで、親子ともども残念に思います。子どもの力を伸ばすために今から努力することや、親がやるべきことなど教えて下さい。

回答者: 汐見稔幸先生

 3月生まれの子は、4月生まれの子に比べて、クラスでは1年近く生活年数が少ないわけですから、一般的に何でも後から追いかけていく傾向があります。1年先から生きてきた子と比べてしまうので、発達がゆっくりに見えるのですね。その上、引っ込み思案タイプであれば他の子と違うペースで行動するのは、ある意味当然だと思います。

 そのことをお母さんがわかっているということは、この子の場合、もっとも大事なことだと思います。あんたはあんたでいいのよ、というメッセージを届け続けてあげられるからです。

 保育園の先生は、多分、集団を効率よく動かすために、ゆっくりタイプの子にはゆっくりでいい仕事を割り振ろうとするのでしょう。お母さんにはそれが歯がゆく見えるのかもしれませんが、人間は元来、自分で今の自分を乗り越えていこうと思わない限り、自分の性格やタイプを変えてみようとはしないものですし、できもしません。特に引っ込み思案タイプの子は、その性格を変えて積極タイプになることは簡単ではありません。思春期や青年期に、何かに出会ったり気づいたりして自分を変えてみたいと本気で思わない限り、変えようとする行動も起こしません。

 そもそも生まれもった性格は簡単に変えられないのです。表面的には変わりますが、深いところではシャイなタイプの人は一生シャイですし、向こう見ずタイプは、落ち着けるようになったと思っても、心の深いところではその性格はキープしています。ですから、このお子さんの場合も、引っ込み思案タイプを変えようとするのではなく、この子は元来引っ込み思案だから、そういうタイプの子のいいところを探してそれを評価してあげよう、とすることが大事です。あなたはいずれ積極的なところも出てくるから、ゆっくりであることは気にしないでいいのよ。それよりも、慎重派は慎重派らしく、自分のペースでやろうね。慎重派は、大体において何でもていねいにするから、それをあなたの持ち味にするのがいいかもね。ゆっくりやるから、準備は人より早く始めるのよ。等々、等等です。

 人は自分のことを善くみてもらったときに、初めて善くなっていくのです。