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泣き・夜泣き・眠り

Q. なかなか寝てくれない8か月の男児。 (2021.1)

  • (妊娠週数・月齢)8か月

8か月の男の子の赤ちゃんですが、3か月ごろからなかなか眠らず困っています。現在、朝7時半までには起こし、その後20分ほど散歩をしています。朝の離乳食を済ませ、ミルクを飲み、午前の朝寝を1時間ほどさせています。昼からは11~12時の間に昼寝の準備をして寝かせていますが、睡眠が浅く30~40分ほどで起きてしまったり、寝るまでに1~2時間かかるなど、なかなか寝てくれません。夜は19時までには寝るようにしており、授乳か背中をトントンしながら子守歌で寝かせています。昼も夜も、とくに最近は自分で起きたり立ち上がるようになってきたため、寝ていても起き上がり、遊んだり泣いたりしながら寝る様子が見られないことが多いです。夜中の覚醒もあり、2~3時間ごとに覚醒、ひどいときには、起きたあと1~2時間寝ないことも。このような状態が続き、私も少しまいっています。どうしたらよいでしょうか。このような状況は、睡眠障害という部類に入るのでしょうか。

回答者: 横田俊一郎先生

 子どもの睡眠の問題はいつの時代も大きな悩み事です。赤ちゃんの生活リズムが24時間に近づいてくるのは生後3か月前ごろですので、3か月を過ぎると夜はぐっすり眠る子が多くなりますが、ご相談のお子さんのようにうまくリズムができあがらないことも少なくありません。

 すでにさまざまな対策を考え実行されていますが、改めて対策を考えてみます。第一は生活リズムです。早寝早起きと規則正しい日常生活が大切です。昼寝は8か月では2回するのが普通ですが、昼寝の時間は2時間を超えないようにします。また、午後3時半には昼寝を切り上げることが大切です。昼寝をしたがらないのであれば、無理にさせなくてもよいでしょう。日中はよく動くようにしてください。明るい光を浴びてお散歩することはとてもよいことです。歩くようになるとよく眠るようになる・・・と昔からよく言われています。また、いつも同じ時刻に床に着くことも大切で、20時ごろを目安にするとよいでしょう。

 第二は入眠の習慣です。入眠前に授乳することを習慣とするのはよいですが、夜中の授乳をできるだけやめ、多少のぐずりですぐに抱き上げたり授乳したりしないことも必要です。母乳を卒業することによって夜間よく眠るようになることはしばしば経験します。また、添い寝をする、おしゃぶりを使う、ぬいぐるみやシーツを持って眠るなどの入眠儀式も対処法として利用するのがよいでしょう。絵本を読んであげるというのも一つの方法です。

 第三は睡眠の環境です。部屋を暗くして、静かな環境で眠らせることが何よりも大切です。保護者が夜更かしでテレビや音楽をつけていて、部屋も明るいという状況では、赤ちゃんもぐっすりとは眠れません。また、お父さんの帰りが遅く、その後に遊んだりお風呂に入れたりする家庭が増えていますが、これでは睡眠・覚醒のリズムができあがりません。

 対策を説明しましたが、これらの対策をすべて実行してもうまくいかないこともあります。しかし、どんなに大変に思えても、必ずよく眠る時期がやってきます。焦らず、子どもとじっくり付き合う覚悟を決めてがんばってください。子どもは眠くなれば眠りますので、基本的に睡眠不足になるということはありません。早く寝かせたいという保護者の気持ちが強いと、子どもはそれを察知してますます眠らないということもありますので、保護者の気持ちを落ち着かせることも時に必要です。

 睡眠障害という病名を8か月の子どもに使うことはほとんどありませんが、お母さんの日常生活に支障が出るほどであれば、ぜひかかりつけの小児科医に相談してみてください。小児科医はこのような問題にいつも対応していますし、漢方薬などがとてもよく効くこともあります。