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Q. 10か月の子。布団かベッド、どのように寝かせるかで悩んでいます。 (2022.2)

  • (妊娠週数・月齢)10か月

生後10か月の子の寝床についてご相談があります。寝室は6畳で、現在はダブルベッドに子ども用の布団を敷いて私と子どもが一緒に、夫はベッドの隣にシングル布団を敷いて寝ています。寝返りとSIDSが怖いため、寝返り防止用のベルトを子どもに使用しています。そろそろベルトをやめさせたいと思っていますが、突然死が起きないか心配です。また、壁にベッドをつけても若干隙間があるため子どもが落ちないか、足元から落ちてしまうのではないかと、やはり不安です。できればダブルベッドかシングルサイズの布団を使用したいのですが、どのようにして寝かせるのがよいのか、教えていただきたいです。

回答者: 横田俊一郎先生

 乳児の突然死として、乳児突然死症候群(SIDS)がよく知られていますが、なぜ死亡するのか、原因はわかっていません。突然死の危険因子として「うつぶせ寝」がよく知られていて、わが国も含め世界各国で、乳児期にはうつぶせ寝を避けるような指導が行われ、その結果、死亡数は減っています。わが国の保育の場では、乳児の睡眠中には、5分おきにうつぶせ寝かどうか、呼吸をしているかどうかのチェックが行われ、うつぶせになっていれば体位を仰向けに変更していますが、家庭ではそんなことはできません。

 わが国のSIDSによる死亡者数は令和元年で78人、令和2年で95人と以前に比べると格段に少なくなっています。2~4か月児に大部分が発生し、10か月以上の児は全体の数パーセントしかありませんので、SIDSを過度に心配する必要はないと思います。

 寝返り防止の器具は、このような状況があるために開発された器具ではないかと思います。生後4か月くらいまでは寝返りをすることはほとんどなく、寝返り防止の器具の使用は、生後5か月を過ぎてからになると思います。しかし、寝返りするようになると、器具で寝返りを防止するのはなかなか難しくなるようにも思いますし、SIDSの発生頻度も低いので10か月の子に使う必要はないのではないかと考えられます。

 この時期の子どもをどのように寝かせたらよいかについて、東京都は「乳幼児の寝ているときの事故防止ガイド」を示しています。この中で、基本的に2歳になる前は、大人用ベッドではなく、可能であればベビーベッドに寝かせることが大切だと述べられています。大人用ベッドで保護者が添い寝をする場合は、寝かしつけた後、できるだけ子どもをベビーベッドに移す、ベビーベッドは柵を上げて使用する、ことがもっともよい方法だと思われます。大人用ベッドに取り付ける幼児用ベッドガードは、子どもが隙間に挟まり自力で脱出できずに窒息してしまうリスクがあるため、1歳6か月になるまで使用しないことを覚えておいてください。

 シングルサイズの布団を使用することもよいと思いますが、周辺に危険なものを置かない、寝具は顔にかぶらないようにし、口や鼻を覆ったり、首に巻きついたりするものを置かないことに留意する必要があります。やはり、ベビーベッドを用意するのがもっとも安全な方法と思います。