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アレルギー

Q. 生後6か月。卵・乳・小麦アレルギーですが母乳はやめたほうがいい? (2007.7)

生後6か月ですが、卵、乳、小麦のアレルギーと判明しました。アレルギー用ミルクにするように言われ、母乳は夜1回だけにしています。また、私も卵・乳・麦の食事制限をしていますが、湿疹は出ては消えの繰り返しです。完全に母乳をやめるときれいになるとか、卵以外は母乳から出ないので食べても大丈夫などと聞きますが、どれがほんとうかわからず悩んでいます。私は母乳をやめたくもないと思う一方で、だんだん食事制限がきつくなってきました。やはり、母乳はやめたほうがよいのでしょうか。

回答者: 横田俊一郎先生

 食物アレルギーの診断や治療については医療側にもいろいろな考えの人がいて、患者さんが迷うことも少なくありません。ここでは、厚生労働科学研究班が作った「食物アレルギーの診療の手引き2005」をもとに解説します。

 この手引きの「治療」の項には「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去」と書かれています。つまり、正しい診断がまず必要であり、そのうえで必要最小限の原因食物除去を行う、ということになります。

 食物アレルギーの多くはアトピー性皮膚炎を合併していて、皮膚炎が外用治療でなかなか改善しないときに、血液検査などで食物アレルギーがあるかどうかを検査します。ところが、血液検査で調べる血中抗原特異的 IgE抗体は、陽性であるとその食物に感作されていることは示していますが、食物アレルギー症状が出現することとは必ずしも一致しません。ここがとても大切なところです。つまり、特異的IgE抗体(RASTなど)が陽性でも、それだけでは皮膚炎の原因とは言えないのです。

 正確に診断するためには、疑わしい食べ物を1〜2週間完全に除去して、症状が改善するかどうかを観察する(食物除去試験)か、疑わしい食べ物を食べて症状が出てくるかどうかを観察する(食物負荷試験)が必要です。食物負荷試験には危険も伴うので、専門施設で行うのが普通です。

 1日1回しか飲んでいない母乳のために症状が改善しないというのは、一般的には考えにくいことですが、もし母乳が心配なのであれば、1〜2週間だけお母様が厳密な食事制限をしてみてはいかがでしょうか。それでも改善しないときには、皮膚炎は食物アレルギーのためではないと考えたほうがいいでしょう。皮膚炎は衣服やほこり、洗剤など、生活環境の影響も強く受けています。

 母乳は子どもが育つためにとても大切なものです。安易に母乳を中止してアレルギー用ミルクに変更することはおすすめできません。乳児の食物アレルギーの80〜90%は、1歳を過ぎると自然に治ることもわかっています。皮膚炎の症状が重症でなければ、お母さんの食事が極端に偏ったものにならないよう気をつけ、母乳を続けるのがよいと思います。